岐阜県立森林文化アカデミーが会場になっていた、森のようちえんの全国フォーラムで、少し前までこの学校の副学長をされていた川尻秀樹先生の分科会に参加させてもらいました。

これがおもしろくて勉強になること満載。日頃、仕事でも趣味でも樹木を見ている(つもりになっていた)私にとっても、驚きに満ちたものでした。

そうだったのか!と思ったことがたくさんあり、とてもここには書き切れません。が、せっかくですので、ここにいくつか記録しておきます。

◆栗のイガの出かた。

3択は、A:まっすぐ、B:噴水状に、根元は1箇所でそこから多数、C:樹枝状。要は、途中で枝分かれする。

これには、まんまと騙されました。Bかなあ、と思ったら、このように樹枝状に出ているとは。

◆ヒサカキの頂芽

頂芽というのが、?の方のために一応書いておくと、枝先の一番先端にある、充実した芽です。翌年の枝と葉(シュートという)はここから伸びます。

神さまにお供えするサカキの頂芽が、かぎ状になっているのは、初学者の時、自分の先生から教えてもらったので、知っておりました。師いわく「芽を見れば、わかる」。面白い顔をして教えてくれました。

が! ヒサカキも小さくて地味ながら、ちゃんとかぎ状なのを図鑑で確認して感動。そのうち、ヒサカキを見つけたら、実物で確認したい。

◆シュガーパインの松ぼっくり(球果)

松ぼっくりでは最大、というシュガーパインの球果を見せてもらいました。シュガーパインは樹高が80~85mくらいにもなるそうですが、この木に登ってご自分で取られたもの、とのこと。すてき!

このまつぼっくりの開いた部分が受け皿のような役割を果たし、そこに他の樹種の種子がはまりこむ。そして、シュガーパインの種子の周囲で一緒に発芽して、マツの根の張りを助ける、と考えられているとのこと。

いろんな生き方、やり方があるものだ。とても面白いです。こういうのが、次々と満載です。

ですが、川尻先生のレクチャーで、一番私が心にしみたのは、日頃、いかに、自分がものをきちんと観察していないか、あらためて知れたことです。

見ていないことにすら気づくことなく、魅力的、不思議、豊かなもののそばを通り過ぎているか、に実物を通して気づかせてもらえました。

見えないものも見えるようになりたい、とずっと思ってきた私ですが、まずは見る気になったら見えるものから見ることにいたします。

川尻先生、楽しく実りある時間をありがとうございました。